ポートフォリオ運用の主な資産クラスー期待リスク・リターン値の2022年版アップデート

2022/01/16

投資-市場動向 投資の考え方

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ポートフォリオ運用において、分散投資の対象となる資産クラスのリスクとリターンの関係がどのようになっているかを確認しておくは極めて大切です。価格変動の異なる複数の資産へうまく分散投資を行うことで、リスクを効果的にコントロールしながらリターンを狙っていけることになります。

ここでは、J.P.モルガン・アセット・マネジメントが毎年公表している資産クラス毎の長期的な期待リターン・リスク期待値の2022年版を確認し、さらにこれまでの各資産クラスの実際のパフォーマンスを見ておきたいと思います。

なお、資産クラス分散によるポートフォリオのリスクコントロールについては、よろしければ下記の一連記事をご参照くださると幸いです。

    投資の考え方1-基本はリスクをコントロールしてリターンを得ること
    投資の考え方2-リスクをどのようにコントロールするか?
    投資の考え方3-ポートフォリオ運用の資産クラス
  投資の考え方4-ポートフォリオ運用のアセットアロケーション

資産クラスによる長期的な期待リスク・リータン 2022年版

投資対象となる主な資産クラスについて、2021年12月公表されたJ.P.モルガン・アセット・マネジメントによる今後10~15年の期待リターンとリスクの予想値を以下まとめています。(参照情報:J.P.モルガンの超長期市場予測2022年版

J.P.モルガン・アセット・マネジメントによる今後10~15年の主要アセットクラス期待リターン予測(2022年版)
アセットクラス期待リターン想定リスク
日本大型株式5.0%17.95%
先進国株式 (除く日本)3.0%19.61%
新興国株式5.2%22.65%
日本国債0.7%2.14%
先進国国債 (除く日本)0.6%8.57%
新興国国債3.5%12.01%
ハイイールド債券 (米国)2.2%12.65%
米国REIT4.4%17.05%
グローバルREIT (除く米国)4.5%18.76%
(2021/9/30時点データ、円ベース、為替ヘッジ無)

2021年版の公表値に比べ、株式等のリスク資産の想定期待リターンは低下、先進国債券や日本債券などのより安定性の高い資産の想定期待リターンがやや上昇した見通しになっています。

各資産クラスのリスクとリターンの関係を図にしたものが下記グラフです。主な資産クラスのリスクリターンの関係グラフ(2022年版)
2022年版においても、株式は全体として右上に分布しハイリスク・リターンである一方、日本や先進国の国債は左下に分布し低リスク・低リターンであること、新興国債券やハイイールド債券はその中間であることが分かります。

またグラフ中、日本大型株式、グローバルREIT(除く米国)、先進国株式(除く日本)の各資産クラスが概ね似たようなリスク水準にあり、その中で日本大型株式クラスが一番高い期待リターン見通しであることが見てとれます。

あくまで、J.P.モルガン・アセット・マネジメントによる現時点の長期予測をもとにした議論をすれば、同程度のリスクであればよりリターンが高い日本大型株式クラスへ投資すべきといえることになります。

ただし実際には、円建て以外の資産クラスについては為替レートの影響も大きく、また、当然ながら将来のリターンがどのようになるかは誰にもわかりませんので、しっかりと分散させたポートフォリオ運用を行うことが大切になります。

資産クラスの実際のパフォーマンス

仮に長期予測がある程度正しいと仮定してとしても、毎年の実際の各資産クラスのパフォーマンスは当然ながらそれとはかけ離れてバラバラになります。

ある年にパフォーマンスの悪かった資産クラスが、その翌年に高パフォーマンスをあげるようなケースも多いことから、今回も実際のパフォーマンスを確認しておきたいと思います。

ここでは、運用実績の長い投資信託eMAXISシリーズ(三菱UFJ国際投信株式会社)を用いて、各資産クラスの過去のリターン実績を確認したいと思います。

アセットクラス使用した投資信託データ
日本株式eMAXIS TOPIXインデックス
先進国株式eMAXIS 先進国株式インデックス
新興国株式eMAXIS 新興国株式インデックス
日本債券eMAXIS 国内債券インデックス
先進国債券eMAXIS 先進国債券インデックス
新興国債券eMAXIS 新興国債券インデックス
日本REITeMAXIS 国内リートインデックス
先進国REITeMAXIS 先進国リートインデックス
(近年、信託報酬の低いeMAXIS Slimシリーズが導入されて人気が高いと思いますのが、より長期の運用実績のあるeMAXISシリーズを今回使用しています)

2010年から2021年まで年ごとに、年間リターンパフォーマンス上位の資産クラスを、上から順にその並べたものが以下マトリックス図になります。図中の実線より上はプラスパフォーマンス、実線から下はマイナスパフォーマンスの資産を表しています。

主な資産クラスの年率リターン実績マトリックス図(2010~2021年)
主な資産クラスの年率リターン実績マトリックス図(2010~2021年)

パフォーマンスが良好な資産クラスが、年によってかなり入れ替わっていることが理解できます。2019年に好調だった先進国REITや日本REITクラスは、2020年には最も悪い資産クラスとなりましたが、2021年は盛り返して絶好調でした。一方、2019年以降3年間では、先進国株の高パフォーマンスが光ります。

こうしたことも踏まえ、2022年もリバランス等によりしっかりとリスクをコントロールしながら、長期分散ポートフォリオ投資を続けていきたいと思います。

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自己紹介

週に1~2日の働く、セミリタイア状態の50代男性です。

これまで国内外の株式、債券、ETF、投資信託、先物、FX、不動産など投資歴25年。2000年ITバブルで資産半減、その後2008年リーマンショックの大打撃も経験しました。

20代、30代のころにがむしゃらに働き、地道に資産運用を続けてきたおかげで、資産形成はある程度進みました。

今後の充実した完全リタイアライフに向け、長期目線で分散ポートフォリオ運用を継続中です。

投資スタンスについてはこちらをご覧ください。

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