富士フイルムホールディングス[4901]の株主優待案内が届きました-業績、配当金実績と株価推移の再確認【2022年7月】

2022/07/07

株主優待 投資-日本株

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業績好調で12年連続増配となった富士フイルムホールディングス[4901]から、2022年3月基準の株主優待案内が届きました。アスタリフト化粧品がもらえ、家族も毎年とても楽しみにしています。

この記事では、富士フイルムホールディングス[4901]の優待内容を確認し、その業績動向、株価の推移、配当金実績をアップデート、見直しておきたいと思います。

[4901]富士フイルムホールディングスの株主優待

権利確定日が3月末、9月末(年2回)の株式優待銘柄です。
権利確定日3月末、9月末(年2回)
株主優待内容(1) 100株以上保有の株主に、自社グループ会社ヘルスケア商品優待割引販売

(2) 100株以上の長期保有株主に、保有期間と保有株式数に応じて、自社グループ会社の以下優待品を贈呈

・ヘルスケアトライアルキット
・ヘルスケア商品
・フォトブック等プリントサービス
            利用クーポン

株式保有期間と保有株式数により贈呈される株主優待品
(1) 100株以上保有の全ての株主向け(3月末、9月末)
保有株式数株主優待
100株以上自社グループ会社ヘルスケア商品優待割引販売
(30%割引)

(2-A) 1年以上の長期保有株主向け
保有株式数株主優待
100株以上【3月末基準日】
自社グループ会社の優待品贈呈
・ヘルスケアトライアルキット
・ヘルスケア商品(計2,000~3,000円相当)

【9月末基準日】
自社グループ会社フォトブック等プリントサービス利用クーポン(1,000円分)

(2-A) 3年以上の長期保有株主向け
保有株式数株主優待
300株以上
500株未満
【3月末基準日】
自社グループ会社の優待品贈呈
・ヘルスケアトライアルキット
・ヘルスケア商品(計4,000~5,000円相当)

【9月末基準日】
自社グループ会社フォトブック等プリントサービス利用クーポン(1,000円分)
500株以上【3月末基準日】
自社グループ会社の優待品贈呈
・ヘルスケアトライアルキット
・ヘルスケア商品(計9,000~10,000円相当)

【9月末基準日】
自社グループ会社フォトブック等プリントサービス利用クーポン(4,000円分)

富士フイルムのヘルスケア商品の30%割引販売のほか、女性には嬉しいアスタリフト化粧品とお試しセットがもらえます。

今回の株主優待内容は、贈呈商品の金額を含め、これまでと同じでした。
ただ、贈呈される商品自体は、年によって少し変わることもあります。

2022年夏 贈呈(2022年3月権利確定)の優待商品

(500株以上3年以上保有者向け)富士フイルムホールディングス[4901]の株主優待コース案内(2022年3月基準)

化粧品コースの場合、同社の一押しの商品である「アスタリフト ホワイト ジュエリー アクアリスタ(40g)」(下記写真)は昨年と同じです。昨年は合わせて「美白/UVお試しセット」が贈呈されましたが、2022年は「美白の先行美容液ジェリーお試しセット」へ変更されています。
富士フイルム商品アスタリフト ホワイト ジュエリー アクアリスタ(40g)

富士フイルムホールディングスの優待利回り

2022年7月6日の株価7,463円で計算すると、富士フイルムホールディングスへ100株投資するのに238,000円、500株の投資に3,731,500円必要です。

優待品のヘルスケア商品とプリントサービスクーポンのみを、額面どおりの価値で計算すると、100株1年以上保有で2,000円相当の商品、1,000円分のクーポンがもらえますので、100株1年以上保有時の優待利回りは0.40%(3,000÷746,300)です。

500株3年以上保有で9,000円相当の商品とクーポン4,000円分がもらえますので、500株3年以上保有時は0.34%の優待利回り(13,000÷3,731,500)になります。

なお、富士フイルムホールディングスの過去の株主優待商品については、こちらの記事をご覧ください。

[4901]富士フイルムホールディングスの事業概要・業績動向

富士フイルムホールディングスは、もともとのフイルムビジネスの縮小を見込み早くから多角化を進めてきました。フイルム製造の技術を生かしながら、M&A(企業の合併・吸収)を活用した多角化に成功し、現在は以下の4つの部門で事業展開しています。

富士フイルムホールディングスの事業分野
事業部門商品・サービス
ヘルスケアメディカルシステム機材、バイオ医薬品製造開発受託、細胞・培地・試薬等の創薬支援材料、医薬品、化粧品・サプリメント等
マテリアルズ電子材料、ディスプレイ材料、産業機材、ファインケミカル、記録メディア、インクジェット機材等
ビジネス
イノベーション
デジタル複合機、ソリューション・サービス等
イメージングインスタントカメラ「チェキ」、カラーフィルム、写真プリント用カラーペーパー・サービス・機器、デジタルカメラ、光学デバイス等

各事業の売上高割合は次のようになっています。

富士フイルムホールディングスの事業別売上高【2022年3月期】
富士フイルムホールディングス[4901]の事業別売上高分布【2022年3月期】
2022年3月期には、医療機器やバイオ医薬品の製造開発受託などを含むヘルスケア部門が、ビジネスイノベーション部門を抜いて初めて売上高・営業利益ともに最大の事業部門となりました。日立製作所の画像診断関連事業を承継したグループ会社「富士フイルムヘルスケア」が大きく貢献しています。

4事業部門でバランスよく収益を稼いでいるとともに、地域別では、米州をはじめとして欧州やアジアその他の地域など日本以外の海外での売上高が全体の6割を占めていることも特徴です。

富士フイルムホールディングスの業績推移(売上・利益)【2022年3月期】
富士フイルムホールディングス[4901]の業績推移(売上高・営業利益)【2022年3月期】
※富士フイルムホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

富士フイルムホールディングスの2022年3月期の売上高は前期比15.2%増の2兆5,258億円となりました。営業利益も前期比38.8%増の2,297億円と、3年ぶりに過去最高を更新しました。

医療機器やバイオ医薬品の製造開発受託事業の貢献によるヘルスケア部門の収益拡大や、世界的な半導体需要の高まりでフォトレジストなど電子材料事業の成長がけん引し、マテリアルズ部門が大きく伸びたことが背景です。

会社は2023年3月期について、いずれの部門も収益の前期比プラス成長を想定し、会社全体で売上高4.9%増の2兆6,500億円、営業利益6.7%の2,450億円と予想しています。

[4901]富士フイルムホールディングスの配当実績

富士フイルムホールディングスの配当実績・一株当たり利益・期末配当利回り
年度一株当たり
利益
(円)
配当金
(年間・円)
期末配当
利回り
2017年3月期296.27701.61%
2018年3月期322.62751.77%
2019年3月期326.81801.59%
2020年3月期306.18951.75%
2021年3月期453.281001.52%
2022年3月期527.331101.47%
※富士フイルムホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

一株当たり利益(EPS)の拡大に合わせて、順調に増配を続けてきています。2023年3月期についても10円増配して120円の年間配当を予想しています。

[4901]富士フイルムホールディングスの株価推移

富士フイルムホールディングス[4901]の株価推移(過去5年:週足)
富士フイルムホールディングス[4901]の株価推移(2022年7月まで過去5年:週足)
富士フイルムホールディングスの株価は、ヘルスケア部門の伸びなどを受け、2016年半ば以降、緩やかな上昇傾向にありました。株価は、新型コロナウィルス感染症の影響が拡大した2020年は停滞していたものの、2021年に入ると一気に上昇しました。

インフルエンザウィルス薬「アビガン」に対する新型コロナウィルス治療薬としのて期待などを受け、株価は2021年9月16日に上場来高値の10,055円をつけました。

しかしその後、2021年12月の厚生労働省の審議会で「アビガン」の治験が明確な有効性を示せていないと判断され継続審議となり、株価は下落基調に転じました。2022年3月には6,500円台まで下落し、以降、7,000円を挟んだもみ合い推移となっています。

富士フイルムホールディングス[4901]の株価推移(過去1年:日足)
富士フイルムホールディングス[4901]の株価推移(2022年7月まで過去1年:日足)

[9861]富士フイルムホールディングスの投資指標と今後の運用方針

2022年5月6日の株価 2,380円による投資指標
一株当たり
利益(EPS)予想(円)
479.05
年間配当金 予想(円)120
予想PER(倍)15.58倍
実績PBR(倍)1.20倍
ROE 予想7.67%
配当利回り予想1.61%
※富士フイルムホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

100株保有時の優待利回り0.40%と予想配当利回り1.61%から、総合利回りは2.01%。500株保有の場合は、0.34+1.61=1.95%の総合利回りです。利回り的には、あまり魅力ある水準ではありません。

予想株価収益率(PER)は現在15.6倍であり、今年に入ってからの株価下落によって、過去の平均的な15倍程度の水準に落ち着いてきました。株価純資産倍率(PBR)も1.2倍と過去の平均的水準と大きくは変わらず、PERやPBRの面からは現在の株価に割高感は無いと考えられます。

富士フイルムホールディングスの配当金・配当性向の推移
富士フイルムホールディングス[4901] 配当金・配当性向推移グラフ【2022年3月期】
※富士フイルムホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

ヘルスケア事業が大きく貢献して2022年3月期も最高益となった富士フイルムホールディングスは、配当も12期連続で増配しています。配当性向も安定してほぼ20%台を維持し、稼いだ分相応の無理のない配当をしているといえ、安心感があります。

2023年3月期についても順調な収益拡大が期待され、会社も10円増配を予想しています。

自己資本利益率(ROE)はここ数年上昇傾向にあり、8%水準まで伸びてきました。純資産利益率(ROA)も上昇トレンドにあり、売上高営業利益率も9%程度まで高まってきたことから、経営効率の面からも好感されます。

富士フイルムホールディングス:営業利益率・ROE・ROAの推移
富士フイルムホールディングス[4901] 営業利益率・ROE・ROA推移グラフ【2022年3月期】
※富士フイルムホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

今後の方針
もともとの会社の強みを生かしながら多方面へバランスよく事業展開しいるビジネスモデルが、富士フイルムホールディングスの大きな強みだと考えています。

事業拡大を続けているヘルスケア部門や、半導体需要増大の恩恵を受けるマテリアルズ部門は、今後も好調な展開が期待されます。海外におけるロックダウン解除や企業活動の回復に伴い、ビジネスイノベーションも戻りつつあります。インスタントフォトシステムやデジタルカメラ販売が好調のイメージング事業もにも期待が膨らみ、企業収益のさらなる成長が楽しみなところです。

利回り的には投資妙味はあるとはいえませんが、株主優待品自体は魅力的です。また、ふだんから富士フイルムの化粧品などを利用している場合には、グループ会社ヘルスケア商品優待割引販売(30%割引)も大きなメリットとなります。

投資指標的にも株価に割高感はなく、引き続き、ポートフォリオの上位保有銘柄として投資継続したいと考えます。

<ご注意>
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自己紹介

週に1~2日の働く、セミリタイア状態の50代男性です。

これまで国内外の株式、債券、ETF、投資信託、先物、FX、不動産など投資歴25年。2000年ITバブルで資産半減、その後2008年リーマンショックの大打撃も経験しました。

20代、30代のころにがむしゃらに働き、地道に資産運用を続けてきたおかげで、資産形成はある程度進みました。

今後の充実した完全リタイアライフに向け、長期目線で分散ポートフォリオ運用を継続中です。

投資スタンスについてはこちらをご覧ください。

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