今回発行の社債の概要、劣後特約の特徴や信用格付などについてまとめておきたいと思います。
ソフトバンクグループによる個人向け劣後債(第5回債)
ソフトバンクグループにより発行予定の劣後特約付の社債の概要は次のようになります。
劣後特約について
クーポンが年2%台(仮条件、年2.15%~2.75%)と比較的高いのは、劣後特約付きの劣後債だからです。劣後債は一般の普通社債(シニア債)よりも元利金の支払順位が低い債券になります。なお、2021年9月発行の第4回劣後債はクーポン2.4%で条件決定されています。(2021年9月発行の劣後債の条件等についてはこちら)
発行会社の清算・破産・会社更生・民事再生などが発生した際に、一般債務の元利金が全て支払われた後に初めて劣後債の元利金が返済されます。したがって、一般の普通社債(シニア債)よりもリスクが高いことになり、その分クーポンも相対的に高く設定されています。
今回の劣後債は、昨年の第4回債と同様に格付機関のJCR(日本格付研究所)がBBB+格の債券格付を付与予定です。劣後債であることから、ソフトバンクグループの発行体格付であるA-(JCR)より低い格付となっています。詳細については前回債の記事をご参照ください。
なお、今回の社債は2021年9月発行の劣後債と同様のものですが、2021年6月発行のハイブリッド債とは異なります。ハイブリッド債についても、前回債の記事で説明していますので、ご参照ください。
ソフトバンクグループ劣後債(第5回債)への投信判断について
今回のソフトバンクグループ第5回劣後債については、投資妙味があると考えているものの、実際に投資するかどうかの判断はまだしていません。
- 今回債のクーポンも、前回第4回債の2.4%と大きくは変わらない水準で条件決定されるのではないかと思われます。長期分散投資ポートフォリオの日本債券クラスとして、この水準は極めて魅力的です。
- ソフトバンクグループはレバレッジのかかったビジネスを展開しており、グローバル市場に混乱が広がると、リスクが相応に高まると認識しています。特に米国のハイテクセクター株式等が高値圏にある現状では、今後何かをきっかけとして市場混乱が発生する可能性は以前より増しているとも考えられます。
- 米国格付機関ではなく日本のJCR(日本格付研究所)からではあるが、BBB+格の投資適格債券格付を取得しています。また、ソフトバンクグループの孫正義氏の手腕には一定の信頼感があり、こうした点はプラスに加味したリスク判断が必要といえます。
- 長期分散投資ポートフォリオの日本債券クラスとして、7年間の期間中に当債券を売却することになる可能性はほぼ無いです。したがって、投資にあたっての流動性リスクは全く問題にならず受け入れ可能。
- 既に同社の社債を長期投資ポートフォリオの1.5%程度保有していることから、更に積み増すことが分散の観点から良いのかどうかについては、今後、検討、判断をしたいと考えます。上記も踏まえると、ポートフォリオ全体としての分散を念頭に、少額購入する可能性が高いのかなと今のところ感じています。
2021年1月21日追記
ソフトバンクグループ第5回無担保社債(劣後特約付)のクーポンは2.48%に決まりました。いろいろと考えた末、第3回劣後債に続き第5回債も少し購入することにしました。
ソフトバンクグループ第5回無担保社債(劣後特約付)のクーポンは2.48%に決まりました。いろいろと考えた末、第3回劣後債に続き第5回債も少し購入することにしました。
なお、ハッピーリタイアに向けた長期分散ポートフォリオ投資における日本債券クラスへの投資スタンスについては、こちらの記事で触れていますのでご参照ください。
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