この記事では、全国に約1,200店の牛丼店を運営する国内2位の老舗牛丼チェーン、吉野家ホールディングス[9861]の2021年5月到着の株主優待券についてご紹介します。あわせて、株価の推移、業績推移、配当金の実績を確認しておきたいと思います。
[9861]吉野家ホールディングスの株主優待
権利確定日が2月末、8月末(年2回)の株式優待銘柄です。
権利確定日 | 2月末、8月末(年2回) |
株主優待内容 | 1枚300円の飲食券
飲食券10枚を期日までに返送することで、「商品詰め合わせセット」と交換可能 |
保有株式数による贈呈枚数保有株式数 | 贈呈枚数 |
100株以上 | 飲食券(300円)10枚 |
1,000株以上 | 飲食券(300円)20枚 |
2,000株以上 | 飲食券(300円)40枚 |
今回贈呈の株主優待券の期限は2022年5月31日、全国の吉野家とはなまるうどんの店舗で利用できます。(一部店舗除く)
また、今回贈呈分までは京樽の運営する店舗で利用できますが、次回贈呈分からは利用できなくなります。
2021年5月7日の株価 2,072円だと、100株で207,200円になります。
2021年5月贈呈(2021年2月権利確定)の優待券
300円の優待券が10枚で1冊となってます。店舗利用の際は、同時に複数枚利用可能ですが、おつりはでません。
同封されているご案内(下記)にあるように、期日までの申込により優待券1冊を商品詰め合せセットと交換できます。
[9861]吉野家ホールディングスの事業内容・業績推移
日本全国と海外にも展開する牛丼の「吉野家」の他、讃岐うどんチェーンの「はなまる」も傘下にもちます。「ステーキハウス フォルクス」や「ステーキのどん」を展開する子会社だったアークミールを、2020年2月に安楽亭[7562] に売却しました。
さらに、「海鮮三崎港」などの寿司チェーンを展開する子会社だった京樽を、2021年4月1日付でスシロー(現:FOOD&LIFE COMPANIES[3563])へ譲渡しました。コロナウィルス感染症の影響が拡大し、外食産業をとりまく環境が厳しさを増す中、事業ポートフォリオの最適化をはかり、成長事業へのリソース配分を進めるため、と同社は説明しています。
2020年末時点の店舗数は、国内吉野家 1,199店、国内はなまる 477店、海外吉野家947店、京樽290店です。
吉野家ホールディングス 店舗チェーン別の売上高比率(2020年度)
2020年度(2021年2月期)の売上高比率は上のようになています。売上高では、64%が牛丼の吉野家、残りを海外、京樽、はなまるが1/3ずつ占めています。ところが、京樽とはなまるの営業利益はコロナ禍で赤字となり、黒字を確保している吉野家と海外の足を引っ張っている状況です。京樽の売却は、こうした環境下で本業の吉野家により集中するためと言えそうです。
次に既存店売上高の前年比推移を見てみたいと思います。これは、吉野家の国内既存店舗について、その売上高、客数、客単価が前年同月対比でどのくらいの水準にあったかを、月毎に見ているものです。100%であれば、前年同月と同水準だったことを指し、100%を上回っていれば、その分前年より伸びていることを示します。
吉野家 既存店の売上・客数・客単価 前年比推移(2019年3月~)
既存店の客数(上記グラフのオレンジ色線)は、2020年春にコロナウィルス感染症の影響が広がると前年同月比で減少(100%を下回る状態)に転じ、それが続いています。限定商品の「黒毛和牛すき鍋膳」や定番の「牛すき鍋膳」など高価格商品の人気化等により客単価(上記グラフ灰色線)の向上には成功していますが、売上高の減少を止めるまでには至っていません。売上高(グラフ青線)は前年同月比で80%~90%台の状態が続いていて、けっこう苦しい状況です。
吉野家ホールディングスの業績推移(売上高・営業利益)
2020年度(2021年2月期)は、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う店舗の営業時間の短縮や休業の影響を大きく受け、売上高は前年比21%の減収、営業利益はマイナスとなりました。
2021年度(2022年2月期)について同社は、ワクチン接種が始まるものの回復は緩やかであり、売上高も2020年度を下回ると予想しています。来店を促す商品導入や各種キャンペーン、デリバリーニーズを更に獲得するためのデジタルツール機能強化、中食・内食市場に切り込むための冷凍牛丼販売体制の強化などに取り組み、コスト削減効果と合わせて営業黒字化を目指すとしています。
[9861]吉野家ホールディングスの配当実績
吉野家ホールディングスの配当実績・一株当たり利益・期末配当利回り
年度 | 一株当たり 利益(円) | 配当金 (年間・円) | 期末配当 利回り |
2016年度 | 19.4 | 20 | 1.22% |
2017年度 | 23.1 | 20 | 1.04% |
2018年度 | -92.9 | 20 | 1.11% |
2019年度 | 11.0 | 20 | 0.93% |
2020年度 | -116.1 | 0 | 0.00% |
2020年度(2021年2月期)は無配となってしまいました。
[9861]吉野家ホールディングスの株価推移
吉野家ホールディングス[9861]とゼンショーホールディングス[7550]の株価推移(過去5年)
過去5年の株価推移を牛丼首位の「すき家」を運営するゼンショーホールディングス[7550]と比較しています。2020年春のコロナウィルス感染症拡大による大幅下落からの株価回復力の違いが出ています。
吉野家ホールディングス[9861]とゼンショーホールディングス[7550]の株価推移(2020年1月~2021年5月)
昨年初からの推移をみてみると、両社の株価回復力の違いがより顕著にみてとれます。それぞれの企業の2019年末株価との比較で、ゼンショーホールディングスは約13%の株価上昇となっている一方で、吉野家ホールディングスはマイナス28%に沈んでいます。
[9861]吉野家ホールディングスの投資指標と今後の運用方針
2021年5月7日の株価 2,072円による投資指標
一株当たり 利益(EPS)予想(円) | 30.9 |
年間配当金 予想(円) | 未定 |
予想PER(倍) | 67.0倍 |
実績PBR(倍) | 3.4倍 |
ROE 予想 | 5.1% |
配当利回り予想 | - |
※同社による配当金予想は未定となっています。今後の方針
PER等の投資指標でみると株価は割高であるものの、企業側の予想する売上高や営業利益が達成できるとすると、投資指標的には同社の過去の値と同程度になります。但し、今後の業績見通しについては、けっこう不透明感が残っている状況と感じています。2018年2月には約50%あった自己資本比率が徐々に低下してきていて、2021年2月には30%となっていることも気がかりです。
株主優待が継続する間は保有しておこうかなとの姿勢ですが、今後の月次売上状況等をよくウォッチしていきながら、状況によっては売却も検討必要かもと考えています。
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