新型コロナウィルスのデルタ株の影響が世界的に拡大している中、景気回復の勢いが鈍る可能性が意識されています。金融市場では、米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和策の縮小)がどのように進んでいくのかに注目が集まっています。
こうした中、今年3月にかけて大きく上昇し、4月以降は徐々に低下していた米国長期金利は、先週7月8日には急落、米10年金利が一時1.25%をつけました。
米国ダウ平均株価が日中500ドル以上下げる場面があったり、日経平均株価は6月末対比で1,400円近く低い27,400円台を7月9日につけるなど、高値圏にある株式市場も不安定な動きとなっています。
グローバルに分散投資をしている立場としては、こうした市場の変動に変に慌てる必要はありません。一方で、市場が今どのような位置にあるのか、ポートフォリオ運用で投資対象となる主要な資産クラスの状況を確認しておくことは大切だと思っています。
ここでは、新型コロナウィルスの影響が広がる前の2020年初からの各資産クラスのパフォーマンス状況を確認しておきます。
主要な資産クラスのパフォーマンス状況
ここでは、過去の記事と同じように、投資対象となる主要な資産クラスのパフォーマンスを、運用実績の長い低コストの投資対象eMAXISシリーズ(三菱UFJ国際投信株式会社)を用いて確認します。
主要な資産クラスのパフォーマンス状況(2020年初~)
対象として用いたemaxisシリーズについては、過去の記事をご参照ください。(参照記事:投資の考え方3-ポートフォリオ運用の資産クラス)
グラフは、2019年末の価格水準を100とした場合の価格推移になります。日本債券クラス、新興国債券クラスを除き、すべての資産クラスが新型コロナ前の水準を大きく上回っていることが分かります。
特に好調な米国株式の貢献により、先進国株式クラスは2020年初から3割を超える上昇となっています。
次に、2021年に入ってから以降のパフォーマンス状況をみてみます。
主要な資産クラスのパフォーマンス状況(2021年初~)
2021年7月9日の基準価格を用い、数値データとして確認しておきます。
こうして各資産クラスのパフォーマンス状況を確認してみると、特に株式やリート資産については、新型コロナウィルスの影響が広がる前の水準を既に大きく上回るところまで上昇してきていたことが理解できます。
7月に入ってからの市場のやや不安定な動きは気にはなりますが、改めて確認すると、大きな流れの中で当然起こり得るような利益確定的な動きの広がりであろうと想像できます。今後も市場動向に注意は必要であるものの、現時点で大きな方向転換までは必要ないと思っています。
引き続き長期目線で、分散投資を心がけながら、下落時にはうまく拾い、上昇してきた際にはリバランス目的でリスクを落とす、というポートフォリオ運用を続けていきたいと考えています。
0 件のコメント:
コメントを投稿