2023年びっくり10大予想-ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏の公表内容を確認

2023/01/09

投資-全般

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ニューヨークのウォール街ビル群

米投資ファンド大手ブラックストーンの富裕層向け投資サービス子会社の副会長を務めるバイロン・ウィーン氏が、最高投資ストラテジストのジョー・ザイドル氏と共同で、毎年恒例の「びっくり10大予想」2023年版を公表しました。

バイロン・ウィーン氏は、以前は米投資銀行モルガン・スタンレーで米国投資ストラテジストの責任者を20年以上勤めていた著名人です。モルガン・スタンレー時代の1986年から、びっくり予想を発表しています。「びっくり10大予想」は、平均的な投資家が3分の1の発生確率であると考えるシナリオやイベントで、ウィーン氏が5割以上の確率で起こると予想するものです。

ウィーン氏は経済、社会、金融市場そして政治的なトレンドを分析した上で、金融市場の方向性についてのアドバイスを投資家へ長いあいだ提供してきました。ウォール街のご意見番的な人物で、幅広い影響力をもっているといえます。彼の予想が当たるかどうかは別として、投資運用をしていくうえで、彼の見方を理解し、頭に入れておくことはとても良いと考えています。

バイロン・ウィーン氏とジョー・ザイドル氏による2023年の「びっくり10大予想」は以下になります。

2023年「びっくり10大予想」

(原文:Ten Surprises of 2023)

1. 2024年の米大統領選で有力な新顔が登場

2024年の米大統領選に向け、両政党ともに党予備選に複数の候補が立候補し、党候補の座を争う。両党ともに、有力な新顔が登場して大統領選に臨む

2. FRBは「金融緩和への転換」を棚上げ

米連邦準備理事会(FRB)はインフレとの綱引きを続けているため、「転換(pivot)」という言葉は「一時的(transitory)」という言葉とともに棚上げされる。過去10年間の状況とは異なり、金融政策の誘導金利であるFF金利(Federal Funds Rate)は個人消費支出(PCE)価格指数を上回り、実質金利はプラス圏に浮上する

3. マイルドな景気後退へ

FRBによるインフレ抑制はうまくいくものの、抑制的な政策はしばらく続き、マイルドな景気後退へとつながる

4. 株式市場は年央に底打ち

FRBの金融引き締めは続くが、市場は年央までには底をつけ、2009年と似たような回復がはじまる

5. 現代貨幣理論(MMT)の信用失墜

過去の市場の大きな調整は、必ず何らかの金融「事故」によって引き起こされてきた。最近の暗号資産の暴落は、金融システム全体へのシステミック・イベント(金融システム全体に機能不全が波及するようなイベント)とはならなかった。今回、財政赤字がインフレを引き起こすことが確認され、現代貨幣理論(MMT)の信用は完全に失墜する

6. 円やユーロに対して米ドル高が続く

FRBが他国の中央銀行よりもタカ派的であり続けることから、円やユーロを含めた主要通貨に対する米ドル高は継続する

7. 中国は5.5%の成長目標へ前進。西側諸国と通商関係の改善をはかる

中国は5.5%の成長目標に向けて進み、西側諸国との強固な通商関係の改善をはかる。これは、実物資産と商品にポジティブとなる。

8. 原油は一時1バレル50ドルに

米国は最大の原油生産国となるだけでなく、原油の友好的な供給国となる。原油価格は主としてグローバルな景気後退が原因で下落するが、水圧破砕法の利用拡大と、中東諸国とベネズエラによる生産増もその要因となる。WTI原油価格は一時1バレル50ドルを今年つけるが、世界全体の景気回復によって2024年以降の将来どこかで100ドルを見ることになる

9. ロシアのウクライナ侵攻、2023年後半に停戦交渉へ

2023年前半、ウクライナにおける砲撃、破壊、そして死傷者の発生は続く。両陣営ともにその痛みとコスト増に耐えられなくなることで、2023年後半には必然的に停戦交渉がはじまる

10. ツイッターは年末までに業績回復

広告主がその媒体を前向きには支持していないことや、債権者が企業の借入について懸念をもっているにもかからず、イーロン・マスク氏は年末までにツイッターの業績を回復させる

「参考」Byron Wien and Joe Zidle Announce the Ten Surprises of 2023

今後の投資にあたって

不透明感が強まっている現在の市場環境において、上記シナリオやイベントをきっちり頭に入れ、リスク分散を図りながらポートフォリオ運用を進めていきたいと思います。

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自己紹介

週に1~2日の働く、セミリタイア状態の50代男性です。

これまで国内外の株式、債券、ETF、投資信託、先物、FX、不動産など投資歴25年。2000年ITバブルで資産半減、その後2008年リーマンショックの大打撃も経験しました。

20代、30代のころにがむしゃらに働き、地道に資産運用を続けてきたおかげで、資産形成はある程度進みました。

今後の充実した完全リタイアライフに向け、長期目線で分散ポートフォリオ運用を継続中です。

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