2022年6月末、グローバル投資市場と主な資産クラスの動向確認-米国リセッションへの警戒広がる

2022/07/01

投資-市場動向

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ロシアによるウクライナ情勢が長期化し、グローバルなインフレが長らく続きそうとの観測が広がっています。5月に一時意識されたインフレのピークアウト感はすっかり影を潜めてしまいました。

米連邦準備理事会(FRB)は、積極的な利上げを行う姿勢を強めています。経済へ悪影響を与えるリスクを理解しつつも、インフレ対策を進める意向です。

2023年にも米国がリセッション(景気後退局面)入りするとの観測が市場ででてきていて、株式をはじめとしたリスク資産は完全に下落トレンドといえる状況です。

ここでは、運用における主な資産クラスのパフォーマンスとグローバル金融市場の動向を確認しておきたいと思います。

主な資産クラスのパフォーマンス状況

これまでと同様に、代表的な低コスト・インデックス投信であるeMAXIS Slimシリーズ(三菱UFJ国際投信株式会社)の価格動向を用い、各資産クラスのパフォーマンスを確認します。

以下、eMAXIS Slimシリーズにおける主要資産クラスの投資信託について、2022年6月のパフォーマンスを表示しています。

主要な資産クラスの2022年6月実績
主要な資産クラスの月間パフォーマンス(2022年6月)
※新興国債券クラスのみ、eMAXIS Slimeシリーズは存在しないため、eMAXIS新興国債券インデックスを用いています。対象として用いたemaxisシリーズについては、過去の記事をご参照ください。(参照記事:投資の考え方3-ポートフォリオ運用の資産クラス

続いて、各資産クラスの2021年初から過去2年間の動向を見てみます。
主要な資産クラスのパフォーマンス推移グラフ(2021年初~2022年6月)

2022年初からの動きをクローズアップします。
主要な資産クラスのパフォーマンス推移グラフ(2022年1月~6月)
各市場ともに調整局面入りが強く意識され、下落トレンドだといえます。特に先進国株式や先進校REITクラスが大幅安となりましたが、円安の進展によって円ベースの下落幅はかなり緩和されてます。大幅下落となています。

欧米株に比べて2021年中のパフォーマンスが見劣りしていた日本株が、相対的に底堅い動きを見せています。

グローバル投資市場の主要指数の確認

続いて、主要な指数の現状確認をしておきます。

株式市場
指数2022年
6月末
変化
(月間)
変化
(年初来)
S&P 5003,785.38-8.4%-20.6%
Nasdaq11,028.74-8.7%-29.5%
東証TOPIX1,870.82-2.2%-6.1%
ドイツ DAX12,783.77-11.2%-19.5%
英国 FTSE1007,169.28-5.8%-2.9%
香港ハンセン21,859.792.1%-6.6%
上海株価指数3,398.626.7%-6.6%

為替・金利市場
指標2022年
6月末
変化
(月間)
変化
(年初来)
米ドル円 為替レート135.827.14円20.74円
ユーロ円 為替レート142.274.16円11.45円
英ポンド円為替レート165.153.01円9.46円
豪ドル円 為替レート93.701.38円10.15円
ドルインデックス104.49-0.288.9
米国10年国債金利3.02%0.15%1.51%
日本10年国債金利0.22%-0.02%0.15%

商品先物市場
商品先物2022年
6月末
変化
(月間)
変化
(年初来)
WTI原油 (ドル/バレル)106.05-7.5%41.0%
(ドル/トロイオンス)1,806.50-2.3%-1.2%
(ドル/トン)8,258-12.6%-15.0%

  • 米国株式市場、S&P500は年初来マイナス20%へ達する
    インフレ率の高まりが長期化し、米連邦準備理事会(FRB)は積極的な利上げを行う姿勢を強めています。経済への悪影響を理解しつつも、インフレ対策を進める意向です。米国のリセッション入りの可能性が意識され、米国株式市場は売られる展開が続いています。

    S&P500指数は年初来マイナス20%、Nasdaq総合指数は年初来マイナス29%へ到っしました。


  • 日本株式市場は欧米株の動きにつられるも、相対的には底堅く推移
    日本の株式市場も米国株につられる動きを見せていますが、2021年中の上昇幅が見劣りしていたこともあり、相対的な底堅さが感じられました。

    海外投資家の多くは既に日本株式ポジションを相当に減らしてしまったことから、下値での売り手が少ないとの見方もあるようです。

  • 米10年国債金利は一時3.5%に迫るも3.02%で終える
    米連邦準備理事会(FRB)の積極的な利上げ姿勢を受け、米10年国債金利は6月半ばに一時3.5%に迫る場面がありました。しかし、6月後半にかけてリセッション入りへの警戒感が徐々に広がり株式市場が大幅下落となったことで、長期金利も低下、結局3.02%で終えています。

  • 為替市場では、米ドルが1998年以来の137円台をつける
    インフレ率の高まりを受けた米連邦準備理事会(FRB)の利上げ姿勢、一方、主要国で唯一金融緩和姿勢を継続する日銀の姿勢、さらに、日本の貿易赤字の広がりなどの要因を受け、円安の流れが止まりません。

    米ドル円為替レートは1998年以来となる137円台を一時つけ、前月比7円以上の円安水準の135円台で終えています。

  • 原油や銅など商品市場は大幅安
    世界経済の景気後退局面入りの可能性が意識され、商品市場は大幅安となっています。WTI原油先物市場は、今年3月以来となる1バレル123ドル台を一時つけましたが、6月後半は下落に転じ、前月比7%安い106ドル台で終えています。

    さらに、電線などの電力インフラ、さまざまな家電製品や自動車など幅広分野で使われ、景気の先行きを占う上で指標的な役割を果たすことから「ドクター・カッパー(銅)」といわれる銅の価格動向も気がかりです。新型コロナ後の経済回復を受けてこれまで高値圏にあった銅価格が、前月比12%と大幅下落を見せています。

なお、6月の長期分散投資ポートフォリオの運用実績についてはこちらの記事をご覧ください。

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自己紹介

週に1~2日の働く、セミリタイア状態の50代男性です。

これまで国内外の株式、債券、ETF、投資信託、先物、FX、不動産など投資歴25年。2000年ITバブルで資産半減、その後2008年リーマンショックの大打撃も経験しました。

20代、30代のころにがむしゃらに働き、地道に資産運用を続けてきたおかげで、資産形成はある程度進みました。

今後の充実した完全リタイアライフに向け、長期目線で分散ポートフォリオ運用を継続中です。

投資スタンスについてはこちらをご覧ください。

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