この記事では、幅広くさまざまな事業に取り組むオリックス[8591]の2021年3月基準の株主優待制度についてご紹介します。「ふるさと優待」と称して各地の名産品を集めたとても魅力的なカタログギフトがもらえます。あわせて、オリックスの事業の概要、株価の推移、業績推移、配当金の実績を確認します。
[8591]オリックスの株主優待
「ふるさと優待」の権利確定日は、3月末(年1回)です。
(グループのサービスが割引利用可能となる「株主カード」は3月末、9月末基準の年2回)
(1) 「ふるさと優待」(カタログギフト) |
権利確定日 | 3月末(年1回) |
株主優待内容 | 100株以上保有の株主に、オリックスグループの全国各地の取引先が扱う商品のカタログギフトを贈呈 (Aコース、または、Bコース)
(1)Aコース 100株以上3年以上継続保有の株主向け、ワンランク上のカタログギフト
(2)Bコース 100株以上3年未満保有の株主向け、カタログギフト |
(2) 「株主カード」による優待 |
権利確定日 | 3月末、9月末(年2回) |
株主優待内容 | 提示により、オリックスグループが提供する各種サービスが割引価格で利用できるカード贈呈 |
「株主カード」による主な優待
- 旅館・ホテルの宿泊費・利用料金割引
- 京都水族館・すみだ水族館・新江ノ島水族館の入場料金割引
- 医療法人DIC宇都宮セントラルクリニックの人間ドック各種コース割引
- オリックス・バッファローズ公式戦ホームゲーム野球観戦を優待価格購入
- オリックス自動車カーリース・レンタカー利用料金割引
2021年7月贈呈(2021年3月権利確定)の優待商品
3年以上継続保有株主向けの「ふるさと優待」Aコースの中の商品例1
「おおいた和牛 すき焼用 550g(株式会社まるひで)」
3年以上継続保有株主向けの「ふるさと優待」Aコースの中の商品例2
「<信州ハム>さわやか信州軽井沢 ハム・ウィンナー詰合せ」
3年未満継続保有株主向けの「ふるさと優待」Bコースの中の商品例
「<サンクゼール>オールフルーツ・スプレッドセット」
オリックス[8591]へ投資する場合、2021年7月29日の株価 1,926.5円を前提として、100株で192,650円必要です。100株を3年未満保有する場合、「ふるさと優待」Bコースの優待品評価額を保守的に4,000円とすると、2.07%の優待利回りとなります。100株3年以上保有の場合、「ふるさと優待」Aコース優待品評価額を7,000円として3.63%の優待利回りです。
なお優待利回り計算にあたり、Aコース優待品評価額は、<イワタニ>スモークレス焼肉グリル「やきまる」や<ツインバード>ワイパースティック型クリーナー フキトリッシュα の実売価格を参考にして7,000円としています。Bコースの優待品評価額は、<ロゴス>ソフトクーラーバッグ、<象印>卓上ポット1.5L、<ピーコック>オーブントースターの実売価格を参考にして保守的に4,000円としています。
[8591]オリックスの事業内容・業績動向
オリックスは1964年にリース会社として設立された後、信託銀行、保険会社から、環境エネルギー事業、不動産投資など多角化を進め、幅広く多目的金融サービスを展開しています。
海外へも積極的にビジネス展開し、現在では利益の3分の1程度は海外事業が稼いでいます。下記はオリックスのセグメント別の利益分布になります。
オリックスの事業セグメント利益分布(2021年3月期)
オリックスの営業収益は前期比0.5%増の2兆2,927億円、当期純利益は前期比36.4%減の1,924億円でした。新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、不動産事業や航空機リースなどの利益が大幅に低下しました。
一方、欧州における再生可能エネルギー事業開発に本格着手するなど力を入れる環境エネルギービジネスは利益が大幅に増加しました。また、コロナ影響下でも非対面募集が伸びた保険業も利益増、銀行業も資産の積み上げにより安定した利益となりました。
オリックスの業績推移(売上高・利益)
※オリックスの決算資料よりブログ管理人作成
オリックスは2022年3月期の当期純利益を、前期比29.9%増の2,500億円と予想しています。営業収益の予想は公表していません。
[8591]オリックスの配当実績
オリックスの配当実績・一株当たり利益・期末配当利回り
年度 | 一株当たり 利益(円) | 配当金 (年間・円) | 期末配当 利回り |
2017年3月期 | 208.88 | 52.25 | 3.17% |
2018年3月期 | 244.40 | 66 | 3.52% |
2019年3月期 | 252.92 | 76 | 4.78% |
2020年3月期 | 237.38 | 76 | 5.84% |
2021年3月期 | 155.54 | 78 | 4.18% |
※オリックスの決算資料よりブログ管理人作成
新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受ける前の2020年3月期までは、一株当たり利益(EPS)を少しずつ伸ばすにつれ、配当性向20%~30%程度で増配をしてきていました。
[8591]オリックスの株価推移
オリックス[8591]の株価推移(週足:2015年1月~2021年7月現在)
新型コロナウィルス感染症拡大の影響が広がった2020年3月に株価は急落、2,000円近かった株価は半値近くの1,000円台まで下落しました。
各事業での業績改善が見られた2020年秋以降、株価は急速に回復し、既にコロナ前の水準である2,000円をつけています。
オリックス[8591]の株価推移(日足:2020年1月~2021年7月現在)
[8591]オリックスの投資指標と今後の運用方針
2021年7月29日の株価 1,926.5円による投資指標
一株当たり 利益(EPS)予想(円) | 205.00 |
年間配当金 予想(円) | 78 |
予想PER(倍) | 9.4倍 |
実績PBR(倍) | 0.77倍 |
ROE 予想 | 8.26% |
配当利回り予想 | 4.05% |
※オリックスの決算資料よりブログ管理人作成
会社は一株当たり利益(EPS)がかなり回復すると予想しています。予想配当も2020年3月期水準と同額です。
今後の運用スタンス
「ふるさと優待」の優待品の価値をどう見るかにもよりますが、優待利回りは少なくとも2~3%と評価できます。4%近い配当利回りも合わせて考えると、利回りの面からは相当に魅力ある投資対象です。
通常のリース会社とは異なり、国内外のさまざまな分野に幅広く分散してビジネス展開していることはメリットといえます。一方、金融事業を中心としていて、投資関連のビジネスも多いことから、市場リスクや信用リスクも大きいと考えられ、注意を要します。
独自のビジネスモデルの強み、魅力的な株主優待制度、そして利回り水準を考えると、当然投資継続です。もし今後、株価が下落するような場面があれば、買い増しも検討したいと考えています。
<ご注意>
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