ANAホールディングス[9202]の株主優待割引券が到着-業績と株価推移のアップデート【2022年5月】

2022/05/18

株主優待 投資-日本株

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国内最大手の航空会社 ANAホールディングス[9202]から、株主優待割引券が届きました。昨年前半に保有株の買い増しを行いましたが、新型コロナウィルス感染症の影響がなかなか収束しないなか、まだ株価の本格回復には至っていません。

この記事では、ANAホールディングスの優待内容を確認し、業績動向、株価の推移、配当金実績をアップデート、確認しておきたいと思います。

[9202]ANAホールディングスの株主優待

権利確定日が3月末、9月末(年2回)の株式優待銘柄です。
権利確定日3月末、9月末(年2回)
株主優待内容・保有株式数に応じて、ANA国内全
 路線の片道1区間が株主優待割引運賃
 で利用できる「株主優待番号ご案内
 書」を贈呈

・ANAグループ各社・提携ホテル優待
 冊子の贈呈

優待割引運賃が利用可能となる「株主優待番号ご案内書」の贈呈枚数

保有株式数株主優待番号ご案内書
100株以上1枚
200株以上2枚
300株以上3枚
400株以上4枚
+400株超過分は200株毎に1枚
1,000株以上7枚
+1,000株超過分は400株毎に1枚
100,000株以上254枚
+100,000株超過分は800株毎に1枚

ANAグループ各社優待冊子
ANAグループ各社の優待クーポン券18枚の入った冊子が、100株以上保有の株主へ一人1冊贈呈されます。優待クーポン券1枚で下記の対象となる優待サービスを1回利用可能です。

・IHG・ANA・ホテルズグループジャパンでの優待
・国内・海外パッケージツアー商品の優待
・空港内売店・免税店でのお買い物優待
・ゴルフプレー料金の割引優待

株主優待券の有効期間
株主優待券
(3月基準日)
株主優待番号ご案内書(国内線搭乗優待)
   6月1日~翌年5月末(1年)
ANAグループ優待クーポン券
6月1日~11月末(半年)
株主優待券
(9月基準日)
株主優待番号ご案内書(国内線搭乗優待
  12月1日~翌年11月末(1年)
ANAグループ優待クーポン券
12月1日~翌年5月末(半年)

今回の国内線搭乗株主優待券の有効期限は2023年5月末(1年間)です。
2022年5月贈呈(2022年3月権利確定)の優待券
ANAホールディングス[9202]の株主優待券(2022年5月贈呈、2022年3月権利確定分)

ANAホールディングスの優待利回り

2022年5月18日の株価2,501円で計算すると、ANAホールディングスへ100株投資するのに250,100円必要です。

保有株式数が100株から400株までの株主は、100株につき半期に1枚の割合で株主優待番号ご案内書(国内線搭乗優待)がもらえますので、優待効率(優待利回り)は保有株式数によらず同じになります。

株主優待券の価値を、都内金券ショップにおける現在の買取価格である1枚1,600円とすると、100株保有で年間2枚もらえますので、優待利回りは1.27% (1,600×2÷250,100)です。

[9202]ANAホールディングスの業績動向

2022年3月期の以降のANAホールディングスの売上高は、コロナ禍の影響を大きく受けた前期から40%増加し1兆203億円となりました。ようやくコロナ前水準の半分程度まで回復したことになります。

ただ、その回復過程はまだ緩やかで、前期に比べて赤字幅は縮小したものの営業損益はマイナス1,731億円、最終損益もマイナス1,436億円と、2期連続の純損失となりました。

ANAホールディングスの業績推移(売上高・営業利益)【2022年3月期】
ANAホールディングス[9202]の業績推移(売上高・営業利益)2022年3月期
ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

2021年3月期も年度を通してコロナ禍の影響が続きましたが、段階的に回復する旅行需要や旺盛な貨物需要を最大限に取込み、売上増につなげています。2021年秋には国内需要が戻り、2021年10-12月期は営業黒字を記録するなど回復基調にはあります。ただ、その後はオミクロン株の影響で再び赤字となっています。

需要の緩やかな回復動向は、次の座席利用率グラフでも確認できます。国内線の座席利用率は、コロナ感染動向の変動に応じて上下動を繰り返しています。現在、40-50%程度で推移していますが、コロナ前の70-80%の利用率とはまだ開きがあります。

渡航制限の緩和により、国際線の座席利用率は2022年に入り漸く回復しはじめました。会社は、次年度に座席利用率30-40%程度までの戻りを見込んでいます。

ANAホールディングスの有償座席利用率(2019年4月~2021年3月)
ANAホールディングスの有償座席利用率(2019年4月~2022年3月)
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

ANAホールディングスは前期に公募増資を行ったことで、自己資本金1兆円を確保しましたが、今期は8,000億円弱まで減少しています。前期31.4%だった自己資本比率は24.8%へ低下しました。手元流動性資金は9,500億円と、ある程度十分な水準を維持しています。

[9202]ANAホールディングスの配当実績

ANAホールディングスの配当実績・一株当たり利益・期末配当利回り
年度一株当たり
利益(円)
配当金
(年間・円)
期末配当
利回り
2017年3月期282.3561.77%
2018年3月期417.82601.46%
2019年3月期331.04751.85%
2020年3月期82.6600.00%
2021年3月期-1082.0400.00%
2022年3月期-305.3700.00%
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成
※※当社は2017年10月に株式10株につき1株の割合で株式併合を行っており、2017年3月期の配当金額は併合後の60円に相当します。

2022年3月期もコロナ禍の影響を受け、前年度に続いて無配となりました。

[9202]ANAホールディングスの株価推移

ANAホールディングス[9202]の株価推移(週足:過去5年)
ANAホールディングス[9202]の株価推移(過去5年)
株価は2018年はじめに4,900円程のピークをつけた後に下落トレンドに入り、2020年はじめには3,000円台後半となりました。

その後、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、2020年3月には2,000円程度まで急落。以後2年ほどは、2,000円から3,000円のレンジ内での上下動を繰り返しています。

ANAホールディングス[9202]の株価推移(日足:過去1年)
ANAホールディングス[9202]の株価推移(過去1年)
直近1年では、コロナ感染者数の減少を受け、2021年秋口に3,000円を試す場面がありました。しかしその後、コロナ感染者数が再び拡大に転じ、2022年はじめに蔓延防止措置が適用されると、2,100円台の水準まで急落しました。

以後、2,500円をはさんだ水準でのレンジ推移が続いています。

[9202]ANAホールディングスの投資指標と今後の運用方針

2022年5月18日の株価 2,501円による投資指標
一株当たり
利益(EPS)予想(円)
44.65
年間配当金 予想(円)0
予想PER(倍)56.02倍
実績PBR(倍)1.48倍
ROE 予想2.63%
配当利回り予想0.00%
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

ANAホールディングスの配当金・配当性向の推移
ANAホールディングス[9202] 配当金・配当性向推移グラフ【2022年3月期】
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

ANAホールディングス:営業利益率・ROE・ROAの推移
ANAホールディングス[9202] 営業利益率・ROE・ROA推移グラフ【2022年3月期】
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成

今後の方針

株主優待券の買取相場、コロナ前対比で1,000円ほど安い水準が続いています。現在の100株保有時の優待利回りは1.27%。今後コロナ禍からの回復につれ、2%台への上昇は見込まれるものの、無配であることを考えると、投資利回り的にはあまり魅力が感じられません。

渡航制限の緩和なども進み、ウィズコロナの生活が徐々に浸透してくると、リベンジ旅行需要はかなり盛り上がってくる気がします。貨物需要は好調、コスト改善も進んでいることから、旅客需要が回復してくることで、黒字化もみえてくるように思います。

赤字からの脱却に時間がかかり、自己資本比率の低下していることは気がかりですが、手元流動性資金もある程度あり、直ぐにリスクが顕在化することは無さそうです。

個人投資家としては、長い目線での投資が可能であることから、日本航空と同様に、ANAホールディングス株式も長期目線で継続保有していく方針です。

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自己紹介

週に1~2日の働く、セミリタイア状態の50代男性です。

これまで国内外の株式、債券、ETF、投資信託、先物、FX、不動産など投資歴25年。2000年ITバブルで資産半減、その後2008年リーマンショックの大打撃も経験しました。

20代、30代のころにがむしゃらに働き、地道に資産運用を続けてきたおかげで、資産形成はある程度進みました。

今後の充実した完全リタイアライフに向け、長期目線で分散ポートフォリオ運用を継続中です。

投資スタンスについてはこちらをご覧ください。

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