国内最大手の航空会社 ANAホールディングス[9202]から、株主優待割引券が届きました。昨年前半に保有株の買い増しを行いましたが、新型コロナウィルス感染症の影響がなかなか収束しないなか、まだ株価の本格回復には至っていません。
この記事では、ANAホールディングスの優待内容を確認し、業績動向、株価の推移、配当金実績をアップデート、確認しておきたいと思います。
[9202]ANAホールディングスの株主優待
権利確定日が3月末、9月末(年2回)の株式優待銘柄です。
権利確定日 | 3月末、9月末(年2回) |
株主優待内容 | ・保有株式数に応じて、ANA国内全 路線の片道1区間が株主優待割引運賃 で利用できる「株主優待番号ご案内 書」を贈呈
・ANAグループ各社・提携ホテル優待 冊子の贈呈 |
優待割引運賃が利用可能となる「株主優待番号ご案内書」の贈呈枚数
保有株式数 | 株主優待番号ご案内書 |
100株以上 | 1枚 |
200株以上 | 2枚 |
300株以上 | 3枚 |
400株以上 | 4枚 +400株超過分は200株毎に1枚 |
1,000株以上 | 7枚 +1,000株超過分は400株毎に1枚 |
100,000株以上 | 254枚 +100,000株超過分は800株毎に1枚 |
ANAグループ各社優待冊子
ANAグループ各社の優待クーポン券18枚の入った冊子が、100株以上保有の株主へ一人1冊贈呈されます。優待クーポン券1枚で下記の対象となる優待サービスを1回利用可能です。
・IHG・ANA・ホテルズグループジャパンでの優待
・国内・海外パッケージツアー商品の優待
・空港内売店・免税店でのお買い物優待
・ゴルフプレー料金の割引優待
株主優待券の有効期間株主優待券 (3月基準日) | 株主優待番号ご案内書(国内線搭乗優待) 6月1日~翌年5月末(1年) ANAグループ優待クーポン券 6月1日~11月末(半年) |
株主優待券 (9月基準日) | 株主優待番号ご案内書(国内線搭乗優待) 12月1日~翌年11月末(1年) ANAグループ優待クーポン券 12月1日~翌年5月末(半年) |
今回の国内線搭乗株主優待券の有効期限は2023年5月末(1年間)です。
2022年5月贈呈(2022年3月権利確定)の優待券
ANAホールディングスの優待利回り
2022年5月18日の株価2,501円で計算すると、ANAホールディングスへ100株投資するのに250,100円必要です。
保有株式数が100株から400株までの株主は、100株につき半期に1枚の割合で株主優待番号ご案内書(国内線搭乗優待)がもらえますので、優待効率(優待利回り)は保有株式数によらず同じになります。
株主優待券の価値を、都内金券ショップにおける現在の買取価格である1枚1,600円とすると、100株保有で年間2枚もらえますので、優待利回りは1.27% (1,600×2÷250,100)です。
[9202]ANAホールディングスの業績動向
2022年3月期の以降のANAホールディングスの売上高は、コロナ禍の影響を大きく受けた前期から40%増加し1兆203億円となりました。ようやくコロナ前水準の半分程度まで回復したことになります。
ただ、その回復過程はまだ緩やかで、前期に比べて赤字幅は縮小したものの営業損益はマイナス1,731億円、最終損益もマイナス1,436億円と、2期連続の純損失となりました。
ANAホールディングスの業績推移(売上高・営業利益)【2022年3月期】
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成
2021年3月期も年度を通してコロナ禍の影響が続きましたが、段階的に回復する旅行需要や旺盛な貨物需要を最大限に取込み、売上増につなげています。2021年秋には国内需要が戻り、2021年10-12月期は営業黒字を記録するなど回復基調にはあります。ただ、その後はオミクロン株の影響で再び赤字となっています。
需要の緩やかな回復動向は、次の座席利用率グラフでも確認できます。国内線の座席利用率は、コロナ感染動向の変動に応じて上下動を繰り返しています。現在、40-50%程度で推移していますが、コロナ前の70-80%の利用率とはまだ開きがあります。
渡航制限の緩和により、国際線の座席利用率は2022年に入り漸く回復しはじめました。会社は、次年度に座席利用率30-40%程度までの戻りを見込んでいます。
ANAホールディングスの有償座席利用率(2019年4月~2021年3月)
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成 ANAホールディングスは前期に公募増資を行ったことで、自己資本金1兆円を確保しましたが、今期は8,000億円弱まで減少しています。前期31.4%だった自己資本比率は24.8%へ低下しました。手元流動性資金は9,500億円と、ある程度十分な水準を維持しています。
[9202]ANAホールディングスの配当実績
ANAホールディングスの配当実績・一株当たり利益・期末配当利回り
年度 | 一株当たり 利益(円) | 配当金 (年間・円) | 期末配当 利回り |
2017年3月期 | 282.35 | 6 | 1.77% |
2018年3月期 | 417.82 | 60 | 1.46% |
2019年3月期 | 331.04 | 75 | 1.85% |
2020年3月期 | 82.66 | 0 | 0.00% |
2021年3月期 | -1082.04 | 0 | 0.00% |
2022年3月期 | -305.37 | 0 | 0.00% |
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成
※※当社は2017年10月に株式10株につき1株の割合で株式併合を行っており、2017年3月期の配当金額は併合後の60円に相当します。
2022年3月期もコロナ禍の影響を受け、前年度に続いて無配となりました。
[9202]ANAホールディングスの株価推移
ANAホールディングス[9202]の株価推移(週足:過去5年)
株価は2018年はじめに4,900円程のピークをつけた後に下落トレンドに入り、2020年はじめには3,000円台後半となりました。
その後、新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、2020年3月には2,000円程度まで急落。以後2年ほどは、2,000円から3,000円のレンジ内での上下動を繰り返しています。
ANAホールディングス[9202]の株価推移(日足:過去1年)
直近1年では、コロナ感染者数の減少を受け、2021年秋口に3,000円を試す場面がありました。しかしその後、コロナ感染者数が再び拡大に転じ、2022年はじめに蔓延防止措置が適用されると、2,100円台の水準まで急落しました。
以後、2,500円をはさんだ水準でのレンジ推移が続いています。
[9202]ANAホールディングスの投資指標と今後の運用方針
2022年5月18日の株価 2,501円による投資指標
一株当たり 利益(EPS)予想(円) | 44.65 |
年間配当金 予想(円) | 0 |
予想PER(倍) | 56.02倍 |
実績PBR(倍) | 1.48倍 |
ROE 予想 | 2.63% |
配当利回り予想 | 0.00% |
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成
ANAホールディングスの配当金・配当性向の推移
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成
ANAホールディングス:営業利益率・ROE・ROAの推移
※ANAホールディングスの決算資料よりブログ管理人作成 今後の方針
株主優待券の買取相場、コロナ前対比で1,000円ほど安い水準が続いています。現在の100株保有時の優待利回りは1.27%。今後コロナ禍からの回復につれ、2%台への上昇は見込まれるものの、無配であることを考えると、投資利回り的にはあまり魅力が感じられません。
渡航制限の緩和なども進み、ウィズコロナの生活が徐々に浸透してくると、リベンジ旅行需要はかなり盛り上がってくる気がします。貨物需要は好調、コスト改善も進んでいることから、旅客需要が回復してくることで、黒字化もみえてくるように思います。
赤字からの脱却に時間がかかり、自己資本比率の低下していることは気がかりですが、手元流動性資金もある程度あり、直ぐにリスクが顕在化することは無さそうです。
個人投資家としては、長い目線での投資が可能であることから、日本航空と同様に、ANAホールディングス株式も長期目線で継続保有していく方針です。
<ご注意>
当サイトに記載の内容は、あくまで、管理人の個人的な見解に基づくもので、何ら特定の投資運用方針を推奨するものではありません。記載内容については、細心の注意を払い各種の公表資料等から作成していおりますが、掲載内容の適時性、正確性、有用性等に関して一切保証するものではありません。投資にあたり、万が一損害を受けたとしても一切責任は負えません。投資はあくまで自己責任でお願いします。
0 件のコメント:
コメントを投稿