グローバル運用市場は、2022年2月に入り、インフレ懸念や米国の早期の金融引き締めに対する警戒感を少しずつ消化しつつありました。ところが、2月下旬になってロシアがウクライナへの侵攻を開始したことで、一気にリスクオフの流れが広がる展開となりました。
各国の株式市場は乱高下を繰り返し、結局1月に続いての下落となりました。供給懸念の高まりから原油をはじめとした商品価格は大幅に上昇。安全資産と見なされる金も買われました。インフレ懸念が強まる中で、長期金利も大きく上昇しました。
ここでは、運用における主な資産クラスのパフォーマンスとグローバル金融市場の動向を確認しておきたいと思います。
主な資産クラスのパフォーマンス状況
これまでと同様に、代表的な低コスト・インデックス投信であるeMAXIS Slimシリーズ(三菱UFJ国際投信株式会社)の価格動向を用い、各資産クラスのパフォーマンスを確認します。
以下、eMAXIS Slimシリーズにおける主要資産クラスの投資信託について、2022年2月のパフォーマンスを表示しています。
主要な資産クラスの2022年2月実績
※新興国債券クラスのみ、eMAXIS Slimeシリーズは存在しないため、eMAXIS新興国債券インデックスを用いています。対象として用いたemaxisシリーズについては、過去の記事をご参照ください。(参照記事:投資の考え方3-ポートフォリオ運用の資産クラス)続いて、各資産クラスの2021年初から過去2年間の動向を見てみます。
2022年初来の動向をクローズアップしてみます。
インフレ懸念の高まりを受け、2022年はじめから調整を見せていた各資産クラスは、2月中旬にかけて一旦は値を戻しつつありました。しかし2月後半になると、どの資産クラスも下落に転じてしまいました。横ばいだった先進国REITクラスを除き全ての資産クラスで1月水準を下回った水準で終えました。
株式市場のほか、長期金利上昇の影響を受けた債券クラスや、借入に依存したビジネス展開をしているREITクラスについてもパフォーマンスが悪化しています。
グローバル投資市場の主要指数の確認
続いて、主要な指数の現状確認をしておきます。
株式市場
為替・金利市場
為替・金利市場
商品先物市場
- 米国株式市場はマイナス3%、ドイツDAXはマイナス6%
ウクライナにおける紛争の激しさが増し、リスク回避の動きが広がるにつれ、各国株式市場が大きく調整しました。中でも、地政学的影響をより強く受けるヨーロッパの国々の下落幅が大きくなっています。ドイツDAX指数は月間で6.5%のマイナスとなりました。
- 原油市場は大幅上昇、2014年来の100ドルをつける
世界第3位の原油産出国であるロシアに対する金融制裁が開始され、原油の供給懸念が強まりました。ロシアに対する制裁が段階的に強められた2月下旬になると、原油価格は連日のように大幅上昇をみせました。WTI原油先物は2014年来となる100ドルをつけています。
- 米国長期金利は上昇し、一時2%台をつける
原油をはじめとした商品市場が上昇する中、インフレ懸念も高まり、各国の長期金利は上昇しました。米10年国債金利は、前月比0.3%程度高い2%台を一時つけました。2月終わりにかけては、紛争の長期化による景気悪化懸念が高まったこともあり、米長期金利はやや下落、1.8%台で終えています。
- 為替市場では欧州通貨安が進む
米国金利上昇を背景としたドル買いと、リスクオフの円買いの綱引きから、米ドル円為替レートは小動きに終始しました。一方、地政学リスクの影響をより強く受ける欧州通貨は弱含みました。対米ドルでもユーロが売られ、ユーロドル為替レートは、2020年6月以来となる(1米ドルあたり)1.11ユーロをつけています。
なお、2月の長期分散投資ポートフォリオの運用実績についてはこちらの記事をご覧ください。
<ご注意>
当サイトに記載の内容は、あくまで、管理人の個人的な見解に基づくもので、何ら特定の投資運用方針を推奨するものではありません。記載内容については、細心の注意を払い各種の公表資料等から作成していおりますが、掲載内容の適時性、正確性、有用性等に関して一切保証するものではありません。投資にあたり、万が一損害を受けたとしても一切責任は負えません。投資はあくまで自己責任でお願いします。
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