この記事では、コロナ渦の巣ごもり需要の高まりで、家具・インテリア・ホームファッションが好調の[9843]ニトリホールディングスの、2021年4月到着の株主優待、お買物優待券についてご紹介します。併せて、株価の推移、事業内容、業績推移、配当金の推移を確認しておきたいと思います。
[9843]ニトリホールディングスの株主優待
権利確定日が2月20日の株式優待銘柄です。
権利確定日 | 2月20日(毎年1回) |
株主優待内容 | 株主お買物優待券の贈呈 1枚につきお買物10%割引 1枚につき買物金額10万円が上限 |
保有期間・保有株数による贈呈枚数
保有年数 | 保有株式数 | 贈呈枚数 |
1年未満 | 100株以上 | 5枚 |
1年以上 | 100株以上、 500株未満 | 10枚 |
500株以上 | 15枚 |
買物優待券1枚につき10万円買物(税込)が上限ですが、買物金額が多い場合には複数用いることが可能です。その場合でも、割引は10%となります。
また、買物優待券はネットでは使えないので、注意が必要です。
2021年4月28日の株価 19,810円だと、100株で1,981,000円になります。
2021年4月贈呈(2021年2月権利確定)のお買物優待券
10枚綴りのお買物優待券、約1年後の2022年5月20日まで有効です。1年間だいたい毎月1回ほどニトリで10%引きの買物ができることになります。昨年贈呈のものとは、色合いのみが異なります。
2020年4月贈呈(2020年2月権利確定)のお買物優待券
[9843]ニトリホールディングスの事業内容・業績推移
札幌における現会長の似鳥昭雄氏の家具小売店から始まったニトリホールディングスは、大型家具から、カーテン、カーペット、寝装品や食器・家庭用品などのインテリア用品まで多彩な商品の製造・販売を行っています。
「お、ねだん以上」ニトリのキャッチコピーにあるように、低価格で品質にこだわった商品の開発に力をいれていて、自社ブランドを多く展開していることが特徴です。自社開発の商品をアジア諸国で生産、物流業務も自社で行い、ITシステムを駆使した小売へつなげるというような、自社グループ一元化により効率化を図っています。ネット販売にも力を入れ、販売額が増えてきています。
積極的に成長に向けた投資も行っていて、直近では2021年3月に、首都圏を中心にホームセンターを展開する島忠を買収により完全子会社化しています。国内の新規出店も進めているほか、海外へ出店も台湾と中国で加速してきました。2021年2月時点で、国内店舗数651店、海外71店となっています。
こうしたビジネス運営により、ニトリホールディングスは、34期連続増収増益を達成しています。
ここで、ニトリの既存店売上高の前年比推移を見てみたいと思います。これは、ニトリホールディングス傘下のニトリの国内既存店舗について、その売上高、客数、客単価が前年同月対比でどのくらいの水準にあったかを、月毎に見ているものです。100%であれば、前年同月と同水準だったことを指し、100%を上回っていれば、その分前年より伸びていることを示します。
ニトリ既存店の売上・客数・客単価 前年比推移(2019年3月~)
既存店の売上高(上記グラフ青線)は、2019年から2020年初めまでの間、概ね前年比で95%~110%の範囲で横ばい推移となっていました。2020年春先にコロナ禍の影響が広がり始めても当初その流れは変わりませんでした。
ところが、2020年6月には前年比140%を超える売上高となり、その後も110%~120%の推移が年末まで続きました(グラフ緑囲み部分)。正にこれが、巣ごもりによる需要の急拡大の効果です。客単価がほぼ100%程度の推移となっている一方で、客数はその期間大きく伸びていて、来店、および、ネット経由の客数の増加が売上増をもたらしていることが分かります。
ニトリホールディングスの業績推移(売上高・営業利益)自社で商品開発、物流から小売までを手掛ける独自のビジネスモデルによる効率運営、および、順調な新規出店の効果によって、過去5年も相当いいペースで売上が伸びています。特に2020年度は巣ごもり特需もあって、売上高に対する営業利益率の伸びが大きくなっています。
[9843]ニトリホールディングスの配当実績
オリックスの配当実績・一株当たり利益・期末配当利回り年度 | 一株当たり 利益(円) | 配当金 (年間・円) | 期末配当 利回り |
2016年度 | 541 | 82 | 0.67% |
2017年度 | 574 | 92 | 0.52% |
2018年度 | 608 | 97 | 0.69% |
2019年度 | 635 | 108 | 0.65% |
2020年度 | 874 | 123 | 0.59% |
増収増益を続ける一方、配当金も順調に増やしており、17期連続の増配となっています。
[9843]ニトリホールディングスの株価推移
ニトリホールディングス[9843]とNEXT FUNDS 小売ETF[1630]の株価推移(過去5年)
過去5年の株価推移を小売セクター全体と比較すると、業績の順調な拡大を受け、ニトリホールディングスの株価の強さがうかがえます。
ニトリホールディングス[9843]とNEXT FUNDS 小売ETF[1630]の株価推移(2020年1月~)
続いて、昨年初からの推移をみてみます。ニトリホールディングスと小売セクターいずれの株価も、コロナ禍による3月の株価急落の後は5月にかけ急回復をみせました。その後小売セクターは伸び悩む一方で、ニトリホールディングス株は巣ごもり需要による客数増を受け、6月以降も大きく上昇していることが分かります。
昨年秋口以降は、小売セクター全体が緩やかに株価回復しているなか、夏場に急上昇していたニトリホールディングス株は、むしろ伸び悩み、緩やかに下落してきていることが見て取れます。
[9843]ニトリホールディングスの投資指標と今後の運用方針
2021年4月28日の株価 19,810円による投資指標
一株当たり 利益(EPS)予想(円) | 873.7 |
年間配当金 予想(円) | 140 |
予想PER(倍) | 22.7倍 |
実績PBR(倍) | 3.5倍 |
ROE 予想 | 15.4% |
配当利回り予想 | 0.71% |
今後の方針
昨年夏にコロナ禍の巣ごもり特需により大幅株価上昇し、現在はやや調整している状況といえます。同じ小売業で無印良品を展開する良品計画[7453]などと比べてもPER、PBRともにやや高く、やや割高感があるかもしれません。
一方で、増収増益を続けており、これまでも15%程度の高いROEを継続、自己資本比率も高く、保有している上での不安感はありません。配当利回りが低いのが難点ですが、魅力的なお買物券優待券がもらえること、および、次のような点を踏まえ、当面継続保有方針です。
- 値ごろ感もあり品質もそこそこの商品を開発する力をもつ
- 商品開発から物流、そして小売りまでを続ける独自のビジネスモデルにより増収増益
- 今後の首都圏での島忠との統合効果発揮の可能性
- 野心的な出店計画と海外展開による更なる拡大への期待
<ご注意>
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