3年前に購入した米ドル建ての外国債券が満期を迎えました。2018年3月の発行時に購入したのは オーストラリア・ニュージーランド銀行が発行する米ドル建ての債券。期間3年で、今となっては望むべくもない、年率2.5%もの高金利のクーポンを得ることができました。
オーストラリア・ニュージーランド銀行は、オーストラリア四大銀行のひとつで、大手格付会社による格付も、Aa3(Moody’s)、AA-(S&P)とそこそこの水準で、信用リスクも大きくはないと考えられます。
このように信用リスクも低い債券で、とても美味しい投資ができた背景である、米国の金利の動向を振り返り確認しておきたいと思います。
米国長期金利動向の振り返り
下記は、2017年1月から現在までの米国の10年国債の金利推移グラフです。
【米国10年国債の金利推移グラフ(2017年1月~2021年4月現在)】
米国の10年長期金利は、2017年中は2.5%程度で推移していましたが、2018年に入ると3%近くまで上昇し、その後2.8~3.2%程度での動きが続きました。2019年になってグローバルな景気減速懸念の広がったことや、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げなどを受け、2%を割り込む水準まで低下しました。
その後、2020年のコロナ渦の影響を受け一気に1%を割り込み、3月には一時0.4%程度まで低下、2020年中0.6~0.9%程度の推移となりました。今年に入ってワクチンの効果が見えてくると、経済活動活発化の見込みから徐々に上昇し、現状1.7%台まできています。
今回満期を迎えたオーストラリア・ニュージーランド銀行発行の債券が発行された際、米国10年国債金利は3%程度あり、3年国債金利も2.4%程度でありました。投資家にとってはちょうどこのような美味しい環境下、投資対象としてかなりいい水準で債券が発行されたことになります。
外国債券セクターのこれからの運用方針
この高金利の米国債が満期償還したわけですが、その償還資金で次に何を購入していくのか方針を決めなければなりません。
米国長期金利は一時期より上がってきたとはいえ、ようやく10年国債金利で1.7%です。この辺りの金利水準が、米連邦準備制度理事会(FRB)にとっても居心地が良いのではないか、という専門家もいます。一方、今後まだ緩やかに金利上昇が続く可能性も十分あります。このような環境で、特に過去の美味しい高金利債券が償還してしまった後、次にどのような投資に廻していくかは考えどころです。
実は2019年の米国長期金利の低下を受け、運用ポートフォリオの外国債券セクターの投資対象は、可能な範囲で短期化を進めてきました。購入する個別債券はなるべく2~3年の期限のものとしていました。特に、10年国債金利で1%を大きく割り込むような昨年の極めて低い金利環境下においては、償還を迎えた債券の償還金は全て米ドルMMFで待機させていました。
外国債券セクターの運用利回りが一時的にかなり下がってしまいますが、暫くしてより良い金利水準で投資ができるようなタイミングを待つ訳です。長期的に見た場合の金利収入の増大を狙うとも考えられます。株式で言えば少し下落してくるタイミングを待つことにあたります。(債券においても、金利上昇によりセクター全体が下落するタイミングを待つことになります)
ハッピーリタイアライフに向けた資産運用では、先進国債券セクターの目標利回りは全体として2.5%程度あればと考えています。10年国債の金利が2%に近付いてきたところで、長い年限の個別債券の購入を徐々に再開したいと考えています。今後、米ドルMMFの待機資金を使い、手数料の安いインデックス型外国債券ETFと個別債券投資を少しずつ進めていく方針です。
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