コロナ禍の巣ごもり生活の影響もあるのか、昨年秋、一人暮らしを続けている母の認知症介護が突然始まりました。
もの忘れは進んでいるものの基本的に一人で生活していた状態から、急に食事の用意や金銭管理もできない認知症状態になってしまったことは、前の記事で触れました。
1時間ほど離れた親の住まいに毎日のように通えるわけではないので、介護生活をサポートすべく、いろいろと対応をはかりました。そうした中で、認知症介護にホントにこれは役立った!助かった!というサポート・ツールをここに紹介したいと思います。
1. リモート・ネットワークカメラ(見守りカメラ)
離れて暮らす親の認知症介護で、何をおいても最も役立つ、ある意味で必須ツールがリモート・ネットワークカメラだといえるでしょう。
メーカーのサーバーに映像が残る可能性から情報セキュリティ面の議論もあったりしますが、あまり気にしてもどうしようもないので、機能と価格を優先してTP-Linkの ネットワークカメラ Tapo C200 選びました。
親の自宅に設置したカメラ映像を、Wifi・インターネット経由でリモート環境から確認できます。パン・チルト機能により広範囲がカバーでき、ズーム機能によってある程度細かいところも確認可能です。映像のMicro SDへの録画・再生機能もあり、動体検知を設定して検知した際のみの録画や検知した際のアラート送信の設定もできます。
通常の老親介護の場合も安否確認等で活躍すると思いますが、特に認知症の場合は自分で判断をしてものごとを行うことがかなり難しくなることから、カメラ無しには離れた介護は立ち行かないくらいです。
リビング、キッチン、玄関の3ヵ所に設置し、スマホやタブレットで簡単に映像確認できます。ナイト・ビジョンにより暗闇でもけっこう良く見渡せるの助かってます。主に次のような点で活用しています。
- 安否を含め自宅での様子、天戸の開け閉め、訪問介護時の様子の確認
- テレビや冷暖房のリモコン操作
- 冷蔵庫を確認しながらの食事の準備や片付けの指示
- 服薬の適切な指示
- 玄関の施錠の確認
- デイサービス出発時の指示確認や、訪問販売業者など訪問者の確認
2. インターネット・Wifi環境
3. 防犯機能付き電話機
認知症の高齢者の消費者被害で特に多いと聞く訪問販売や電話勧誘販売の問題。母も本格的な認知症状態になる前から、さまざまなものを繰り返し契約、購入してました。
訪問販売により牛乳や新聞などを複数の業者と同時に定期購入契約したり、電話勧誘によって地方発注の業者からの食べきれないほどの地方特産品を購入したり、また、不要な自宅の屋根改修工事などを発注したり・・・と散々でした。
実は母は何年も前からスマホを利用していましたが、認知症発症時には一時スマホ操作がほとんどできない状態でした。後にシニア向け「かんたんホームアプリ」を導入することによって何とか使えるようになりましたが、将来またどうなるか分からないこともあり、固定電話は残すようにしていました。
訪問販売については、前述のネットワークカメラの動体検知録画機能により状況を把握し、対応を図れるようになりました。一方、電話勧誘販売への対処には、いわゆる防犯機能付きの留守番電話がマスト・ツールといえます。
電話会社のナンバー・ディスプレイ契約を活用した防犯機能を謳う高齢者向けの電話機が、複数の家電メーカーから販売されています。検討ののち、シャープのデジタルコードレス防犯電話機 JD-AT90 を選びました。
決め手となったのは、多彩な防犯機能があらかじめ設定されており、中でも電話機に登録した電話番号からのみ着信を許し、未登録の番号からの電話は拒否する強力な防犯機能が備わっていたからです。
4. LINEなど無料通話アプリ
認知症介護を離れて行う場合、電話で話す回数、時間ともにものすごく多くなり、LINEなどの通話アプリも重宝します。グループ通話により家族間で簡単に同時通話できるのも役立ちます。
5. シニア向けかんたんホームアプリ
視力が弱まっている上に認知能力が低下してくることから、スマホやリモコン類の操作はハードルが高くなります。リモコンはなるべくボタン類が大きく見やすいものへ変更し、ずいぶんと操作ができるようになりました。
スマホについては、シニア向けのホームアプリによってホーム画面をシンプルかつ必要最低限の機能のみに限定的し、何とか使えるようになりました。Androidのスマホに利用したのは、アイコンを大きく見やすくカスタマイズできる無料アプリということで、スクエアホーム:ランチャーを用いることにしました。
6. スマートスピーカー
7. その他の工夫
- 1週間の薬をセパレート管理できる100均の服薬管理ケースの活用
- 家の中で大きな文字の「張り紙」を活用した指示や注意喚起
- 火事リスク低減のためガスコンロからIHコンロへの変更
母は自分でエアコンのリモコンを冷房にセットしてしまったことが一度あり、以後はリモコンは隠し、暖房を24時間つけっぱなしにしています。今後、スマートリモコンやスマートロックの活用を検討したいと考えています。
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