株式市場は会社分割を好意的にとらえ、株価は一時、前日比7%高まで上昇しました。その後は利益確定売りに押されるように株価は下げたものの、前日比2.6%高で取引を終えています。
ここで、ゼネラル・エレクトリック[GE]の業績、配当金実績、株価推移について確認しておきたいと思います。
ゼネラル・エレクトリック[GE]の事業内容・業績動向
エジソンの照明事業から始まったゼネラル・エレクトリック[GE]は、特に1980年代のジャック・ウェルチCEOの時代に多角化による拡大を進め、世界屈指のコングロマリットとなりました。発電・再生エネルギー・水処理、石油・ガス、エネルギー、航空、ヘルスケア、輸送機器、家電・照明、素材などの分野における機器やサービス事業を展開し、1990年台に日本においても存在感を示した金融事業などにも手を広げていきます。
2010年台に入ると業績の悪化に伴い、事業売却を進め、事業分野の絞り込みを行っていきした。金融事業の大部分の売却をはじめとして、伝統ある家電事業も中国ハイアールへ売却、輸送機器、石油・ガス、水処理事業なども売却し、現在の姿となりました。
ゼネラル・エレクトリックの事業分野
「電力事業」発電、産業、政府などの顧客にエネルギー生産に関連する製品・サービスを提供
「再生エネルギー事業」
再生可能エネルギーのソリューションを提供
「航空事業」
商用・軍用の航空機エンジン、および統合デジタルコンポーネント、電力、機械的航空機システムなどを提供
「ヘルスケア事業」
医用画像、デジタルソリューション、患者モニタリング・診断、創薬などのヘルスケア技術を提供
ゼネラル・エレクトリック[GE]の事業別売上高(2020年12月期)
ゼネラル・エレクトリックの業績
2010年台半ば以降、業績は急速に悪化しました。収益を稼ぐ事業がある一方で、収益力の劣る事業の赤字が足を引っ張る状況でした。まさに、コングロマリットの悪い面が出ている状態で、行ってきた事業再編は生き残りに向けて必須のものだったと言えるでしょう。
会社分割によって、各事業分野における中核事業に各社が専念でき、収益力が高まることが期待されます。各事業に応じた資金調達が図れることもメリットで、投資対効果がより鮮明に意識される経営が可能となります。
これまでコングロマリットの悪い面が意識される、いわゆるコングロマリット・ディスカウント状態にあった株価の上昇も期待されるところです。
ゼネラル・エレクトリック[GE]の配当実績
ゼネラル・エレクトリック[GE]の株価推移
ゼネラル・エレクトリック[GE]の今後の運用方針
ゼネラル・エレクトリックへの投資は、事業売却がある程度進んできたと思われた2018年の後半に、数回に分けて行いました。事業リストラがある程度進み、注力分野への経営資源集中がうまくいけば、再浮上が期待できる企業だとの考えがありました。
結果的には、その後数年間株価は低迷し、やや時期尚早だったといえます。2021に入り株価が少し持ち直しを見せ始めたとはいえ、まだほとんど利益は出ていない状態です。
世界的シェアを誇る稼ぎ頭の航空機エンジンの売上など、コロナ禍の影響を受ける部分もあり、現状の収益力はまだまだ回復途上です。各事業分野で強みを生かして収益力を高め、いわゆるコングロマリット・ディスカウントを打破するような株価上昇を期待し、今後も投資を継続したいと考えています。
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